🌱「私ってダメ…」から「私らしい幸せ」へ!ポジティブ心理学で自己肯定感を育み、キャリアを拓く

「仕事はそれなりに順調だけど、なんだか心が満たされない」 「もっと充実した毎日を送りたいけれど、どうすればいいか分からない」 「頑張っているはずなのに、つい自分を責めてしまう」

もしあなたが今、そんな漠然とした不満や、自己肯定感の揺らぎを感じているとしたら、それは決して特別なことではありません。多くの人が、日々の忙しさや、無意識の「思考のクセ」の中で、自分の「本当の幸せ」や「自分自身の価値」を見失いがちです。

これまで、「強みを見つける」ことや、「思考のクセ(自動思考)に気づき、感情をマネジメントする(ABCDE理論)」ことの重要性をお伝えしてきました。これらは、ネガティブな要素を減らし、心の状態をフラットにする上で非常に大切なことです。

しかし、心理学では、「ネガティブな感情を減らすだけでは、本当の幸せは訪れない」という考え方があります。本当の充実感や幸福感は、積極的にポジティブな状態を育み、何よりも「ありのままの自分を受け入れ、肯定すること」から生まれます。

今回は、ポジティブ心理学という新しい視点から、あなたが「自分らしい幸せ」を見つけ、自己肯定感を育み、キャリアと人生をさらに豊かにするためのヒントをお届けします。


ポジティブ心理学とは?〜「幸せ」と「自己肯定感」を科学する〜

従来の心理学が、うつ病や不安といった「病理」の治療に焦点を当ててきたのに対し、ポジティブ心理学は、「人がどうすればより良く生きられるのか」「幸福や充実感はどこから生まれるのか」といった、人の強みや美徳、そして幸福を科学的に研究する分野です。

これは、私たちのキャリア形成において非常に重要です。なぜなら、ポジティブな感情や状態は、単に気分が良いだけでなく、私たちのモチベーション、レジリエンス(立ち直る力)、創造性、生産性、そして良好な人間関係にまで良い影響を与えることが分かっているからです。

ポジティブ心理学の創始者の一人であるマーティン・セリグマン博士は、人が幸福を感じるための要素として、「PERMAモデル」という5つの要素を提唱しています。これらの要素を意識することで、あなたのキャリアと人生は、より豊かで充実したものになるでしょう。

  • Positive Emotion(ポジティブ感情):喜び、感謝、希望、好奇心など、前向きな気持ち。
  • Engagement(エンゲージメント):時間があっという間に過ぎるほど、何かに深く没頭している状態(「フロー体験」とも呼ばれます)。
  • Relationships(人間関係):良好な家族、友人、同僚とのつながり。
  • Meaning(意味・意義):人生や仕事における目的意識、自分が貢献しているという感覚。
  • Achievement(達成):目標を達成した時の満足感や、有能感。

ポジティブ心理学で「私らしい幸せ」をデザインする3つのヒント

では、これらの要素を意識しながら、あなたのキャリアと人生に「私らしい幸せ」をデザインしていくための具体的なヒントをご紹介します。

ヒント1:「思考のクセ」に気づき、自分を肯定する視点を持つ(ABCDE理論との連携)

前回(Vol.19)のABCDE理論で、私たちは「出来事そのもの」ではなく、その間にある「信念(B)」が感情や行動に影響を与えることを学びました。「私ってダメ…」という思考は、まさにこの信念(B)から生まれることが多いのです。

  • 実践:
    • ネガティブな感情(C)が湧いた時、その背景にある「自動思考(B)」をキャッチしましょう。
    • そして、その思考が本当に合理的か、「反駁(D)」の視点から問い直します。
    • 「完璧でなければならない」「失敗する私は価値がない」といった非合理な信念に対し、「完璧でなくても大丈夫」「失敗は学びの機会だ」と、自分を肯定する新しい視点を意識的に取り入れましょう。このプロセスを繰り返すことで、自己肯定感が育まれていきます。

ヒント2:「強み」を意識的に使い、充実感と自己効力感を高める(Engagement & Achievement)

自分の「強み」を使っている時に、私たちは最も集中し、充実感を感じます。以前の記事(Vol.16)で「隠れた強み」の見つけ方についてお話ししましたが、見つけた強みを日々の仕事や生活で意識的に活用してみましょう。

  • 例: もしあなたの強みが「企画力」なら、積極的に新しい企画提案をしてみる。もし「傾聴力」なら、同僚の相談にじっくり耳を傾け、信頼関係を築いてみる。

自分の強みが発揮されている瞬間は、まるで時間が止まったかのように没頭できる「フロー体験」に繋がり、これが大きなエンゲージメントと幸福感を生み出します。また、強みを使って何かを達成できた時、それは「自分にはできる!」という自己効力感を高め、自己肯定感の基盤となります。

ヒント3:他者に優しくするように、自分にも優しさを向ける(セルフ・コンパッション)

あなたは、友人が困っていたら「大丈夫だよ」「よく頑張ったね」と優しく声をかけることができる人ではないでしょうか。しかし、自分自身が失敗したり、落ち込んだりした時、つい厳しく責めてしまうことはありませんか?

ポジティブ心理学では、この「自分への優しさ(セルフ・コンパッション)」が非常に重要だと考えます。

  • 実践:
    • 困難な状況にある自分を、親しい友人のように見つめてみましょう。 どんな言葉をかけてあげたいですか?
    • 「完璧でなくても大丈夫」「頑張っているね」「今は休んでもいいよ」といった、温かい言葉を自分自身に語りかけてみましょう。
    • 人間は誰でも不完全であり、失敗することもあるという、普遍的な事実を受け入れましょう。

他者に手を差し伸べるように、あなた自身も困った時にネガティブになるのではなく、自分にも優しさを向けることは、自己肯定感を育み、レジリエンスを高める大切な習慣です。


キャリア支援者として、あなたの「私らしい幸せ」をサポート

「なんとなく不満」な状態から「私らしい幸せ」へと向かう道のりは、一人で探すには難しいと感じるかもしれません。

私たちキャリアコンサルタントは、ポジティブ心理学のフレームワークを通じて、あなたが自身の幸福要素を言語化するお手伝いをします。そして、あなたの「強み」や「価値観」を深掘りし、キャリアにおける「意味」を見出す伴走をいたします。

「思考のクセ」を乗り越え(Vol.18)、感情をマネジメントしながら(Vol.19)、そしてポジティブ心理学の視点を取り入れることで、自己肯定感を育み、仕事もプライベートも、より豊かに充実させることができます。 あなたらしい幸せを自らデザインし、未来を切り拓いていきましょう。


キャリアの小径 Vol.20

【あなたの「私らしい幸せ」をデザインするお手伝いをします】

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