🌱働く喜びの源泉!「自己有用感」の高め方とキャリアへの活かし方

「仕事のスキルは身についたけれど、本当にこの仕事は誰かの役に立っているのだろうか?」 「もっと仕事で、自分が必要とされていると感じたい…」

キャリアを歩む中で、単なる評価や報酬だけでは満たされない、働く喜びの根源を求める瞬間が訪れます。その鍵を握るのが、「自己有用感(Sense of Usefulness)」です。

自己有用感とは、「自分は誰かの役に立っている」「自分は他者や社会に貢献できている」と感じる感覚のことです。

  • 自己肯定感(Vol.35):自分自身の価値を認める力。
  • 自己効力感(Vol.35):自分には目標を達成できる能力があると信じる力。
  • 自己有用感自分の存在や行動が、他者や社会にポジティブな影響を与えていると感じる力。

この自己有用感こそが、あなたの働く意欲持続的な幸福感を支える重要なエネルギー源となります。今回は、自己有用感を高め、それをキャリアに活かすための3つの実践的なヒントをお届けします。


なぜ、「自己有用感」がキャリアに不可欠なのか?

自己有用感は、働く上で最も強力な内発的動機(内側から湧き出るやる気)となります。

  1. 仕事への意欲向上: 自分の仕事が誰かの喜びや問題解決に繋がっていると実感できると、困難な状況(対人ストレス、Vol.38)でも粘り強く取り組むレジリエンス(Vol.32)が高まります。
  2. ウェルビーイング(幸福)の向上: 人は「貢献感」を得たときに最も強い幸福を感じると言われています。自己有用感は、あなたのワークライフバランス(Vol.37)の充実にも繋がります。
  3. 主体的な行動の促進: 「もっと貢献したい」という意識が、新しい学びや挑戦(Vol.34の習慣化)へと、あなたを主体的に突き動かします。

「自己有用感」を高め、キャリアに活かす3つのヒント

自己有用感は、特別な仕事やボランティアでしか得られないものではありません。日々の仕事の中で、意識的に高めることができます。

ヒント1:「感謝のフィードバック」を意図的に得る

自分の仕事が誰の役に立っているのかが見えないと、自己有用感は育ちません。小さな貢献でも、感謝の言葉やフィードバックを積極的に求めましょう。

  • 実践:
    • 自分の仕事の「受け手」を明確にしましょう。それは、上司だけでなく、同僚、顧客、別部署の担当者かもしれません。
    • フィードバックをもらう際は、「この資料は良かったですか?」ではなく、「この資料が、あなたの〇〇という業務の役に立ちましたか?」のように、具体的な有用性に焦点を当てて質問(Vol.29)しましょう。

ヒント2:「自分の役割」を再定義する(ジョブ・クラフティング)

自分の仕事内容を、ただのタスクの集まりではなく、「誰かの役に立つ行為」として再解釈しましょう。これをジョブ・クラフティングと呼びます。

  • 実践:
    • 自分のTo Doリストにある仕事すべてについて、「このタスクは、チームの〇〇さんがスムーズに仕事をするために貢献している」のように、貢献の相手と内容を書き出してみましょう。
    • 一見地味な「雑務」でも、それが組織や誰かの業務の土台を支えているという「意味付け」をすることで、働く意義が深まります。

ヒント3:「自分の強み」を他者のために使う

自己有用感は、「自分の最も得意なこと」が「他者の助けになる」という経験から最も強く得られます。

  • 実践:
    • キャリアポートフォリオ(Vol.30)を活用し、自分のポータブルスキルの中で、特に「誰かに感謝された実績」を振り返りましょう。
    • 職場の同僚や後輩に対し、自分の得意なこと(資料作成、データ分析、対話力など)を積極的に提供してみましょう。メンター(Vol.36)として、自分の経験を共有することも、大きな自己有用感に繋がります。

【注意点】健全な「自己有用感」と「承認依存」の違い

自己有用感を高めることは重要ですが、一点注意が必要です。それは、自己有用感を「他者からの承認」や「感謝」に過剰に依存させてしまうことです。

  • リスク1:自己犠牲と燃え尽き 「役に立たなければ自分の価値はない」という思考に陥ると、頼み事を断れなくなり、自分の時間やエネルギー源(Vol.37)を過剰に消耗します。これは、健全な境界線(Vol.37、Vol.38)を失い、最終的に燃え尽き症候群に繋がる危険性があります。
  • リスク2:意欲の不安定化 成果や特定の誰かからの感謝が得られなかった時に、「自分は役に立たない」と判断し、意欲やレジリエンス(Vol.32)が急落してしまいます。

健全な自己有用感は、「誰かに感謝されなくても、自分の行動そのものに意義がある」と信じる、自己肯定感(Vol.35)を土台にしたものです。貢献は、自分の主体的な選択であるべきです。

キャリア支援者として、あなたの「自己有用感」を最大化します

自己有用感は、キャリアの目標設定や自己分析だけでは見つけることができません。他者との関わりの中で、具体的な貢献を通じて育まれるものです。

私たちキャリアコンサルタントは、「誰かに依存しない、健全な自己有用感」を築くために、あなたの持つ「貢献できる強み」を明確にします。そして、それが組織や社会で最大限に活かせるような、具体的な役割やキャリアパスを共に探ることで、あなたの「働く喜び」を最大化するお手伝いをいたします。

自分の存在が誰かの役に立っていると心から信じられるとき、あなたのキャリアはさらなる高みへと加速します。


キャリアの小径 Vol.39

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