🌱 運命のハンドルを握り直す。アドラー心理学と築く「自律的キャリア」

皆さんは「アドラー心理学」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。 世界的なベストセラー『嫌われる勇気』などを通じて知られるようになったこの心理学は、別名「勇気の心理学」とも呼ばれます。

「どうすれば自分らしく、幸せに生きていけるのか」という問いに対し、時に厳しく、しかしそれ以上に温かい希望に満ちた答えを用意してくれているアドラーの教え。

新シリーズ「アドラー心理学と築く自律的キャリア」の第1回目は、自分を縛る鎖を解くための「目的論」を深掘りします。


「原因」という言い訳を手放し、「目的」を直視する

私たちは、今の不遇や性格の悩みを「過去の経験」のせいにしがちです。 「上司に厳しく当たられたから、今の自分は消極的なんだ」「あんな失敗をしたから、もう挑戦できない」……。これを心理学では「原因論」と呼び、私たちは知らず知らずのうちに、過去を「今の自分を変えないための免罪符」にしてしまうことがあります。

しかし、アドラーはあえて「トラウマ(心に受けた傷)」という概念を否定しました。

  • 目的論の本質: 過去が今を決めるのではなく、「今の自分がある目的(現状維持など)を達成するために、過去を材料として引っ張り出している」と考えます。

例えば、新しい仕事に挑戦しない理由を「過去の失敗」に求めるのは、「失敗して傷つきたくない」という今の目的を果たすために、過去の記憶を都合よく利用しているだけかもしれないのです。


過去の意味は「いま、ここ」で書き換えられる

こう聞くと「突き放された」と感じるかもしれません。しかし、実はこれこそが「自由」への鍵です。

過去の出来事そのものは変えられませんが、その出来事に「どんな意味を持たせるか」は、今この瞬間のあなたの自由だからです。

  1. 「不幸な過去」を「学びの種」にする: 「あんな失敗があったからダメなんだ」ではなく、「あんな失敗があったからこそ、今の自分は他人の痛みがわかる。だからこの仕事に活かせる」という意味づけを選ぶことができます。
  2. 連続する刹那(いま、ここ)を生きる: 人生は過去から繋がった一本の線ではなく、今という独立した「点」の集まりです。過去の延長線上に未来を描く必要はありません。今この瞬間に「これからどうしたいか」という目的を定め直した瞬間、あなたのキャリアは新しい方向へ動き出します。

「自己受容」——ありのままの自分から再出発する

目的論を受け入れるには、少しの勇気が必要です。そこで大切になるのが「自己受容」です。

無理に自分を高く評価するのではなく、60点の自分をそのまま「これが今の自分だ」と認めること。その上で、「じゃあ、この60点の自分を使って、何ができるだろう?」と問い直す。 この誠実な姿勢こそが、自律的なキャリアを築くための本当のスタートラインになります。


キャリア支援者として、あなたの「これから」に伴走します

「過去のキャリアに自信がない」と立ち止まっている方もいらっしゃるでしょう。

でも、安心してください。あなたの人生の物語の続きを書くペンを握っているのは、過去の出来事ではなく、今のあなた自身です。キャリアコンサルティングでは、あなたがこれまで歩んできた道のりを大切に受け止めつつ、その過去を「これからの糧」としてどう意味づけ直すかを一緒に考えます。

過去は変えられませんが、過去の「意味」は、これからのあなたの生き方次第でいくらでも書き換えることができます。まずは、今の自分に「ここから始めよう」と声をかけることから始めてみませんか。


キャリアの小径 Vol.60

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