🌱 自分を深く知るためのロードマップ。「ジョブ・カード」を無理なく進める3つのステップ
前回、生涯のキャリアの羅針盤となる「ジョブ・カード」の概要をお話ししました。「自分の取扱説明書になるなら、作ってみたいかも」と思った方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、いざ白紙のシートを前にすると、そのボリュームに圧倒されてしまうのも事実です。自主的にこれだけの分量を書き進めるには、「とりあえず」ではない、自分なりの目的が必要です。
キャリアについて考えるとき、ジョブ・カードを使って自己理解を自身で促すこと(書いて、読んで、俯瞰して)によって、「そうか、私はこれが大切だったんだ」と、これまでにない新しい気づきが得られることがあります。
今回は、一気に仕上げようとせず、ゆっくりと自分と向き合いながら気づきを得るための「無理のない作成ステップ」をご提案します。
ステップ1:まずは「心の内側」から(キャリア・プラン作成補助シート)
多くの人は、これまでの社名や役職を書き出す「職務経歴」から始めようとして手が止まります。私が個人的に一番おすすめしたいのは、そこではなく、まず「キャリア・プラン作成補助シート」から始める方法です。
これは、いわば考えをまとめるための「下書きシート」です。
- ライフラインチャートから始める: これまでの人生の満足度の波をグラフ(ライフラインチャート)で振り返り、現在にいたるまでの心の動きを視覚化します。
- 価値観や興味・関心を整理する: グラフの起伏を見つめながら、「あの出来事のとき、自分は何を大事にしていたか(価値観)」「今、どんなことに心が動くか(興味関心)」を言葉にしていきます。
「客観的な事実」を埋める前に、まずは「書いて、読んで、俯瞰する」ことで自分の心の動きを整理する。ここから始めることで、自分を見つめ直すための良い動機が自然と湧いてくるようになります。
ステップ2:これまでの「経験」を棚卸しする(職務経歴シート・職業能力証明シート)
自分の内面が少し見えてきたら、次はそれを「事実」と結びつける作業です。「職務経歴シート」や「職業能力証明シート」を使って、これまでの仕事や学習の経験を整理します。
- 経験の棚卸し: 単に会社名や業務内容を並べるだけでなく、ステップ1で見つめた価値観をベースに振り返ります。「この業務のときは、自分のあの強みが活きていたな」「この資格を取ったときは、こういう意欲があったな」と繋げていくのです。
ここで、自分が「どんな場面で一番力を発揮しやすいか」という、経験の棚卸しを通じた目に見えないポテンシャル(強み)がはっきりと見えてきます。
ステップ3:これからの「未来」を言語化する(キャリア・プランシート)
過去と現在が整理できたら、いよいよ最後の仕上げです。「キャリア・プランシート」を使って、これからの目標と行動を言語化します。
- 中長期的なキャリア目標
- 当面目指したい職種や役割
- そのために、いつまでに何をするか(行動計画)
ステップ1・2を丁寧に経ていれば、この未来の計画は「会社から求められる目標」ではなく、「自分が本当に進みたい方向」という目標と行動の言語化として、自然とペンが動くようになっているはずです。
一気に作らなくて大丈夫。一時保存という優しい選択
ジョブ・カードは、数時間で一気に書き上げるようなものではありません。幸い、オンラインの作成ツールでは「一時保存」が可能です。
平日の夜に少しだけ過去を振り返ってみる。週末の落ち着いた時間に、未来の計画を1行だけ書いてみる。そんな風に、ゆっくりと自分と向き合う時間があるときに、少しずつパズルを埋めていくような感覚で進めてみてください。
あなたのペースで、あなたの物語を紡いでいく。そのプロセス自体が、あなたのキャリア形成にとって、何より価値のある時間になります。
キャリア支援者として、あなたの「対話の相手」になります
「補助シートを書いてみたけれど、ここからどう価値観を読み解けばいいかわからない」 「強みを言葉にするのが、やっぱり一人だと難しい」
そんなときは、ぜひキャリアコンサルティングを頼ってください。ジョブ・カードを完璧に埋めてから相談に来る必要はありません。むしろ、書きかけのシートや、一時保存した状態のままでお持ちいただくことで、対話を通じて一緒に言葉を紡ぎ出していくことができます。
あなたの「これまで」と「これから」を繋ぐ時間を、心地よい安心感の中で進めていきましょう。
ジョブ・カードの様式ダウンロード・作成はこちら(マイジョブ・カード) [https://www.job-card.mhlw.go.jp/]
キャリアの小径 Vol.70
【心軽やかに自分を生きるための対話を,Happathと共に】

