🌱 なぜ今、キャリアに迷うのか?「自己決定理論」という視点

仕事を続けていると、ふとした瞬間に「これまで目指してきた目標に、急に情熱を持てなくなった」「周囲の評価や数字は悪くないのに、どこか心が満たされない」と感じる時期が訪れることがあります。

そんな時、「自分はやる気を失ってしまったのだろうか」「モチベーションを維持できない自分が悪いのだろうか」と、ご自身を責めてしまうかもしれません。

しかし、心がモヤモヤしたり立ち止まったりするのは、決してあなたが怠けているからではありません。

それは、「誰かが決めた評価や期待(外側の基準)」で働くフェーズから、「自分自身のやりがいや納得感(内側の基準)」で働くフェーズへと移行する大切なサインかもしれないのです。

今回は、心理学における「自己決定理論」という視点を通して、ご自身の心の変化を客観的に見つめ直してみませんか。

「他人のものさし」から「自分のものさし」へ

モチベーションや行動の理由には、大きく分けて2つの種類があると言われています。

  • 外発的動機づけ(他人のものさし) 周囲からの評価、手当や給与、立場や肩書、他人からの見え方など、「自分の外側にある条件」のために行動すること。
  • 内発的動機づけ(自分のものさし) その仕事自体が面白い、誰かの役に立って嬉しい、自分の価値観に合っているなど、「自分の内側から湧き出る納得感」のために行動すること。

心理学者エドワード・L・デシらの研究成果を伝える著書『人を伸ばす力―内発と自律のすすめ』の出版社コメントには、次のような言葉が添えられています。

人の意欲と能力を伸ばす力は何か? アメとムチというのが従来の常識ですが、近年の心理学の研究はこの常識を否定し、課題に自発的にとりくむ「内発的動機づけ」と、自分が自分の行動の主人公となる「自律性」の重要性を実証しています。 ── 新曜社『人を伸ばす力―内発と自律のすすめ』出版社コメントより

キャリアの初期や新しい環境に入ったばかりの頃は、「評価されたい」「認められたい」という外発的な動機(アメとムチ)が力強いエネルギーになります。

しかし、経験を重ねていくにつれて、外側の評価だけでは心が満たされなくなっていくのが自然な心のメカニズムです。

今抱えているモヤモヤは、あなたが成長し、「自分が自分の行動の主人公(自律的)」となって、自分のものさしで働き方を選び直したいと心が求めている証なのです。

心を満たす「3つの鍵」

自己決定理論では、人が「外側の評価」に縛られず、自分らしく生き活きと働くためには、次の3つの心が満たされることが大切だとされています。

  1. 自律性(自分で選んでいる感覚) 誰かに強制されたからではなく、「自分の意志でこの仕事や働き方を選んでいる」と思えること。
  2. 有能感(役に立っている手応え) 自分の知識や経験、人柄が活かされ、「自分には力がある」「周囲に貢献できている」と実感できること。
  3. 関係性(志や温かさでつながる感覚) 利害関係を超えて、お互いに尊重し合える仲間や「この人たちと共に歩みたい」と思えるリーダーとつながっていること。

「なぜ今、心が揺れているのだろう?」と感じたとき、この3つの視点から自分を見つめてみると、心が本当に求めているものが見えてきます。

あなたの心に投げかけたい「小さな問い」

一度立ち止まって、ご自身の「仕事への動機」にそっと耳を傾けてみてください。

「あなたが今取り組んでいる仕事の中で、『誰かの評価』を全く気にしなくていいとしたら、やってみたい作業や関わり方は何ですか?」 「これまでの仕事で、成果や給与とは関係なく『心から満たされた』と感じた瞬間はどんな時でしたか?」

「こうあるべきだ」「周囲にどう見られるか」という重荷を一度そっと脇に置いてみること。それが、あなただけの「心の羅針盤」を取り戻す最初の一歩になります。

キャリア支援者として、あなたの「内側の声」を丁寧に聴きます

「他人の期待に応えることばかり優先してきて、自分が本当はどうしたいのか分からない」 「外側の条件から離れて、自分の本当のモチベーションを探してみたい」

自分一人で考えていると、どうしてもこれまでの思考パターン(他人の期待や評価)に引き戻されてしまいがちです。

Happath(ハッパス)のキャリアコンサルティングでは、専門的な理論をベースにしながらも、あなた自身がこれまで大切にしてきた想いや「本当のやりがい」を言葉にしていく対話を大切にしています。

他人のものさしを手放し、あなただけの「納得のいく歩み」をここから一緒に見つけていきませんか。

キャリアの小径 Vol.79

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